今日の雑学
テレビやエアコンなど、私たちが普段利用している家電の多くはリモコンで操作できる。おかげで寝ころびながら操作できて、たいへん便利である。ところでこのリモコン、どう ▼ やって家電に命令を送っているのだろうか。通常、リモコンと家電本体のやり取りには赤外線が利用されている。リモコンは三つの基本部品から構成されている。赤外線を作る発光ダイオード、ボタン部分、そしてボタンの信号を赤外線の信号に変換するICである。ボタンが押されると、ICはそれを信号に変換し、発光ダイオードに伝える。発光ダイオードは、伝えられた信号にしたがって赤外線を発光し、家電本体にコマンドを送るのである。赤外線を感知した家電本体はフォトダイオードで赤外線を電気に変換し、どのボタンからの信号かを解読する。こうして、押されたボタンの情報が家電本体に届けられ、要求した操作が実現される。赤外線で信号をやり取りするリモコンの発想は、赤外線通信という形に発展している。スマートフォンや携帯電話、そしてパソコンを結ぶために利用されているものだ。IrDA(InfraredDataAssociation)と呼ばれる規格に準拠して作成されているのが一般的で、異種の携帯電話同士でアドレス等の情報を交換できるのも、この規格にしたがっているからである。ところで、リモコンで操作される電気機器は、送られてくる赤外線を受信できるように常に待機していなければならない。そのため、家電本体には電気がいつも流れていることになる。これを待機電力と呼ぶ。待機電力は、少し前には、家庭で使う全消費電力量の1割以上になるといわれた。現在は改善が進んでいるが、節電が叫ばれる現在、外出時や寝る前など長く機器を使わないときには、本体の主電源を切る習慣をつけるべきである。蛇足(だそく)ながら、リモコンの発している赤外線は見えないが、ビデオカメラやデジカメのモニターでは見られることに言及しておこう。
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