今日の雑学
寝床に入ったはいいが、いつまでも眠れない。こんなときは何度も寝返りを打って、悶々としている。けっこう不快で辛い時間である。では、どうすればすぐに快眠に入れるか? ▼ それには羊の数を数えればいいとよく言われる。言い伝えとも俗信ともいえるこの入眠法、起源は一九世紀後半頃のフランスの話だという。なかなか眠りにつけない王子様に、羊を数えてあげて、眠らせたというもの。ポルトガルやカナダでも、眠れないときに羊を数えると、よく眠れると言われているそうだ。ちなみに、羊以外のものを数える例はないそうである。ヨーロッパの田舎の風景の中には、必ずといっていいほど見かける羊。想像するだけで、のんびりと懐かしいような雰囲気が、身の回りに漂ってきそうである。ヨーロッパ人にとってノスタルジーともいえる羊が、安眠を誘うのだという。一方、科学的な実験結果がある。全く音がしないより、単調なリズムで小さな音が聞こえる方が、眠りにつきやすいという。たしかに、羊を数えるということは、単調なリズムを生み出すことだろう。羊の「シープ」と睡眠の「スリープ」をこじつける説もあるようだ。しかし、結局のところなぜ、羊を数えると眠れるのかについては、確かなことはわかっていない。こんなことを考えすぎると、かえって眠れなくなるようなので、ほどほどにしておいたほうがいいかもしれない。羊の数と安眠の関係をつきつめるより、昼のあいだに身体を十分活動させておくとか、あるいは、寝室の温度を調整するとか、科学や医学が明らかにしてきたことを応用して、眠りの環境を整えた方が、安眠への近道かも知れない。
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